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心臓血管外科

胸部大動脈

飛永覚

大動脈瘤とは

食生活の欧米化、生活習慣病の増加に伴い動脈硬化性疾患の患者さんが増えてきています。大動脈瘤(胸部、腹部)とは動脈硬化性疾患のひとつで、心臓から拍出された血液が全身に供給される大動脈に“こぶ”ができる病気です。

正常では2cm前後の大動脈が2倍以上に膨らむと大動脈瘤と呼ばれる状態となり、破裂の危険性が高まります。破裂した場合、多くの方はショック状態に陥り、医療機関に辿り着けないこともあります。病院に到着できても破裂してからの緊急手術は大変危険性が高くなります。

胸部大動脈瘤の治療について

胸部大動脈瘤の症状の特徴は、部位により周囲臓器への圧迫症状(嗄声、食物つかえ感、呼吸困難など)が出現することがありますが、 破裂するまでは無症状であることが多い点にあります。このため他の心臓血管外科領域の疾患と異なり、無症状でも手術を行う必要があります。

大動脈瘤は真性、解離性、仮性の3つに分けられますが、急性大動脈解離の場合には破裂、心タンボナーデ、循環不全、脳梗塞、腸管虚血などが合併する場合もあり、特にスタンフォードA型(上行大動脈に解離を認める)であれば緊急で人工心肺使用下に大動脈置換手術が必要となります(写真1参照)。

近年、画像診断、外科治療技術の発達により手術成績も格段に改善しています。2004年の胸部外科学会調査によると、本邦の胸部大動脈瘤手術症例総数は8,000例を越え、10年前の3倍に増加していると言われています。 1993年以降の統計では当科の胸部、腹部大動脈瘤の治療総数も1,600例を超えました。今後も更に症例は増加していくことが予想され、患者さんのご希望に応えることができるよう循環器内科、救命救急センター、麻酔科のスタッフとも連携し、治療を行っていきたいと思います。

手術症例の紹介

症例1

突然の背部痛を主訴に近医へ搬入となる。

CTにて上行大動脈に解離を認め(矢印)、スタンフォードA型の急性大動脈解離と診断された(図1)。

91歳と御高齢ではあったが、本人、ご家族の希望もあり手術目的で当院救命救急センター搬入後、緊急手術(上行大動脈置換術)を行った。

手術は4時間で終了し、術後CTでは人工血管置換部位(矢印)も問題なく(図2)、経過良好のため入院2週間で退院となった。

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